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2021.11.16住宅を建てる際に地質調査やボーリング調査が必要?調査の必要性と調査内容を紹介します

地質調査や地盤調査は住宅を建てる際に実施しなくてはならない調査です。
地盤の強度を調べておかないと地震によって建物が傾く危険性があるため、「建築基準法施行令第38条」によって義務付けられています。

しかし、本来、地質調査や地盤調査は義務付けられているから仕方なしにする調査ではありません。
地質調査や地盤調査を行うことは多大なメリットがあるためです。
例えば、土地の購入前に地質調査ができると、地盤の緩い土地の購入を防ぐことが出来ます。

とはいえ、一言に地質調査といっても、ボーリング調査やSWS試験などの調査方法があるため、調査方法を理解してどの調査方法が自分に適した方法かを把握しておくことが重要です。

そのため、この記事では地質調査の方法や、実施しないことの危険性について解説していきます。

土地の購入が未経験の方や住宅を建てたことがない方は、この記事を参考にしてください。

住宅を建てる際に地質調査やボーリング調査が重要

住宅を建てる際に地質調査や地盤調査、ボーリング調査は非常に重要になります。
地質調査や地盤調査を行うことで、建物が地震によって傾くなどのリスクを防ぐことが可能なためです。
実際、そのことを理解している方は多いです。

ですが、地質調査の方法やタイミングについて、詳細に理解している人はほとんどいません。

しかし、地質調査を行う際は方法やタイミングも非常に重要なので、理解しておく必要があります。

■建築する際の手順と地盤調査をするタイミング
新築住宅を建築する手順は以下になります。

1. 地盤調査と地鎮祭
2. 地盤改良工事(必要な場合)
3. 基礎工事
4. 建て方〜上棟式
5. 屋根・外壁下地・外装工事
6. 内外装工事や内部建具工事
7. 仕上げ
8. 竣工検査・補修工事(必要な場合)
9. 引き渡し

上記の手順からも分かるとおり、地盤調査は建物の建築前に実施します。

なお、売主の許可があれば土地の購入前でも地盤調査を実施することが可能です。
この際、土地に問題があった場合には購入しないことを選べるため、出来れば土地を購入する前に実施することをおすすめします。

■地質調査の方法
住宅を建築する際の地質調査方法には、以下の2つがあります。

・ ボーリング調査
・ SWS試験

それぞれの違いについて、理解するようにしてください。

□ボーリング調査
地盤調査で行われるボーリング調査は、主にマンションなど住宅よりも規模が大きく建物を建てるときに実施される方法になります。
地面を掘削しながら土を採取して、地盤の状態や構造、地下水などを調べる工事です。

地盤の状態は、目で見るだけでは確認できないため、詳細な地盤調査を行うためには必要な工事になります。

□SWS試験
SWS試験とは、「スウェーデン式サウンディング試験」のことで、ボーリング調査よりも安価で出来るため、一般的な住宅を建築するときに用いられる調査方法になります。

具体的には、先端がスクリューになっているロッドに重りをつけて回転させ、その回転数やおもりの重量から地盤の強度を調べる方法です。
そのため、通常の住宅を建築するときはSWS試験をおすすめします。

ただし、調査する規模によっては正確に調査することが出来ない可能性があるので注意が必要です。
例えば、マンションや地下室を建設する場合は、より正確な調査が必要になるのでSWS試験ではなくボーリング調査が適しています。

■地盤調査や地質調査で分かること
地盤調査や地質調査を行うことで、以下の内容がわかります。

・土地の地盤の構成がどうやって作られているかを調べる(切土や盛り土、埋立地、自然形成の土地など)
・地盤の強度がわかる
・地盤の支持力がわかる
・土の粒子の大きさや混ざり具合などの土質がわかる
・土や砂、岩盤などの地層がわかる
・地下水の水位についてわかる
・地震の揺れによって地盤が液状化しやすい土地かどうかがわかる

上記のように、調査した土地について詳しく調べることで、建築した建物にどういった影響を与えるかを把握することが出来ます。

地質調査しないと起こりうるリスク

地質調査をしないことで起こりうるリスクは以下の3つがあります。 

・ 不同沈下が発生して住宅が徐々に沈んでいく
・地震によって家が傾く
・液状化現象によって家が沈む

どのリスクも生活に直結するため、必ず地質調査は行うようにしてください。

■不同沈下が発生して住宅が徐々に沈んでいく
地質調査を実施しないことで、地盤が歪むことで起きる不同沈下の発生を予測することが出来ません。
地面に空隙や腐植土層があることや、地盤の強度が不足しているなどの情報を把握することが出来ないためです。

仮に不同沈下が起きてしまうと、地盤が歪むことにより建物が傾き、床が平らでなくなり壁にひびが入るなど、さまざまな不具合が発生してしまいます。
念願のマイホームを手に入れても、こういった事態になってしまうと、最悪の場合は引っ越さなければなりません。

こういった事態を防ぐためにも、地質調査を実施することが重要です。

■地震によって家が傾く
地質調査を実施しないことで、地震によって家が傾く可能性が高くなります。
住宅を建てる予定の土地が元々田んぼであった場合などは地盤が緩く地盤改良などを施さなければいけませんが、情報を把握できないことで対策を立てることが出来ないためです。

実際、東日本大震災や阪神淡路大震災のように大きな地震の際には、傾いたり倒壊したりした家屋は数多くありました。

こういった事態を防ぐためにも、地質調査を実施して、出来るならば地盤の悪い土地は避けることをおすすめします。

■液状化現象によって家が沈む
地質調査を実施しないことで液状化現象を起こす土地を避けることが出来ません。
そのため、液状化現象によって、家屋が沈んでしまう危険性が高まります。

特に過去に液状化現象が起きた土地や、海岸で新しく埋め立てられた土地は、液状化現象が起きる危険性が高いため注意が必要です。

なお、地盤調査以外の方法で住宅を建てる予定の土地が液状化する危険性があるのかを確認する方法としては、市区町村で確認出来るハザードマップを見ることで危険性を把握することも出来ます。

土地を購入する場合や家を建てる場合は地質調査を実施しよう

土地を購入する際や家を建築する際は、地質調査を実施することをおすすめします。
地質調査をすることで、その土地の危険性を把握することが出来るためです。

そのため、住宅用や建物を建てる土地の購入を検討しているなら、まずは地質調査会社に相談してみてください。

まとめ

地質調査や地盤調査は、住宅を建築する際に非常に重要な調査になります。
地質調査や地盤調査を行うことで、不同沈下などの危険性を防ぐことが出来るためです。

ただし、地質調査の方法は複数あり、どの方法が自分に適しているかを判断しなければいけません。

そのため、この記事では地質調査や地盤調査の方法や、実施しないことの危険性について解説してきました。

地質調査や地盤調査が未経験で悩んでいる方は、この記事を参考にしてみてください。