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2024.08.21ボーリング調査で使う資格は?条件や手順を解説!

地質調査の現場で活躍したいと考えているあなたに、地質調査技士の資格は絶対に役立つでしょう。地質調査技士は、ボーリング調査を始めとする地質調査業務で、専門的な知識と技術を駆使して業務を遂行する技術者のための資格です。この資格を持つことで、建設工事に不可欠な重要な役割を担うことができます。

この記事では、地質調査技士の資格について詳しく解説し、地質調査の現場で成功するための第一歩を踏み出すための情報を提供します。

地質調査技士とは

地質調査技士は、建設プロジェクトの基盤となる地質データを収集・解析する専門職です。彼らはボーリング調査などの手法を駆使して、地盤の構造や特性を詳細に調査します。この情報は、安全で効率的な建設計画の策定に欠かせません。地質調査技士は、その知識と経験を活かし、建設業界の裏方として重要な役割を果たしています。

ここでは、地質調査技士の具体的な業務内容や求められる適性について詳しく解説します

地質調査技士の仕事内容

地質調査技士は、ボーリングマシンなどの特殊な機器を使用して地質調査を行い、調査結果を分析・まとめる専門技術者の資格になります。建物、トンネル、橋梁などの建設工事に先立って、地盤の状態を詳細に調査するのが地質調査技士の主な仕事です。

地質調査技士の主な業務内容は以下の通りです。

・現地調査の計画立案、実施、管理
・ボーリング調査、サウンディング試験、サンプリングなどの土質調査および土質試験
・調査結果の分析とまとめ
・地質平面図、断面図などの作成
・調査報告書の作成

地質調査技士は、建設工事における地盤・岩盤の調査、土木構造物の基礎、斜面・トンネルの安定性評価、地震時の液状化予測、地すべり・斜面崩壊の予測など、幅広い業務に携わり、国土の開発・保全や防災に貢献しています。

地質調査技士に向いている人

地質調査技士は、建設プロジェクトの礎となる重要な調査を担う、やりがいに満ちた職業です。ただし、体力勝負な側面もあるため、たくましい体力は必須条件となります。また、ものづくりへの情熱を持ち、地道な作業を粘り強く続けられる忍耐力を備えている人に適しているでしょう。

地質調査技士の受験資格は?

地質調査技士の資格を取得するためには、受験部門ごとに定められた一定の要件を満たす必要があります。受験資格は、学歴と実務経験に基づいて設定されており、部門によってその内容が異なります。自身がどの部門の受験資格を満たしているのか、事前に入念に確認することが重要です。ここでは、現場調査部門と現場技術・管理部門における受験資格の詳細について説明します。

現場調査部門の受験資格

地質調査技士になるには、学歴と実務経験に応じた受験資格が必要です。受験部門は「現場調査部門」と「現場技術・管理部門」の2つに分かれています。

現場調査部門では、ボーリングに関する機器等の操作を行う実務経験が以下の年数が必要です。

・実務経験5年以上
・指定専門学校卒+実務経験2年以上

現場技術・管理部門の受験資格

現場技術・管理部門では、地質調査の調査・計測や現場管理などの実務経験が以下の年数必要です。学歴によって必要な実務経験年数が変わります。

学歴 実務経験年数
大学・高専(専攻科)・専修学校(専門課程)卒 3~6年
短大・高専・専修学校卒 5~8年
高校卒 7~8年

実務経験年数は、卒業後に地質調査関連業務に従事した期間が対象。アルバイトやパートでの経験も、週30時間以上働いていれば実務経験として認められます。

受験資格の詳細は、全国地質調査業協会連合会のWebサイトで確認できます。自分の学歴と経験がどの部門の受験資格に該当するのか、しっかりチェックしておくことをおすすめします。

地質調査技士試験の手順

地質調査技士の称号を得るには、所定の試験に合格することが求められます。年に一度、7月に開催されるこの試験は、学科試験と実地試験の2部構成。ここでは、試験の概要や受験対策のポイント、合格後の手続きなどを詳しく解説します。

試験の概要

地質調査技士試験は毎年1度、7月上旬に行われます。試験の申し込みは4月上旬から5月上旬頃まで。受験料は16,500円です。

試験は学科試験と実地試験の2つ。現場調査部門は学科試験と口頭試験、現場技術・管理部門は学科試験のみです。

試験の出題範囲と対策

地質調査技士試験は、例年7月の第1日曜日に全国一斉に実施されます。受験申込期間は4月初旬から5月初旬まで。受験料は16,500円(税込)となっています。試験は、マークシート方式の学科試験と、実技を問う実地試験の2段階。

合格後の手続き

合格発表は9月上旬。合格基準は各科目とも80%以上で合格後は登録申請を行い、5年ごとの更新が必要です。

地質調査技士試験は、地質調査のプロを目指す人にとって避けては通れない関門。でもしっかり対策を立てて臨めば、難関も突破できるはず。まずは受験資格を確認して、計画的に準備を進めていきましょう。

地質調査技士試験の受験者数、合格率

地質調査技士試験の難易度はかなり高いと言われています。ここでは、近年の合格率や受験者数の推移を見ていきましょう。合格するためには、日頃からの知識と経験の積み重ねが欠かせません。試験の実態を把握して、万全の準備で臨みましょう。

合格率

地質調査技士試験の合格率はおおよそ30〜40%程度。

2021年度の合格率は以下のとおり。

・現場調査部門:38.1%
・現場技術・管理部門:32.1%

ボーリング調査などの実務経験がないと受験できないので、現場のプロ集団が受験する試験。合格するには、しっかりとした対策と覚悟が必要ですね。

受験者数と合格率の推移

近年の受験者数と合格率の推移はこちら。

年度 現場調査部門 現場技術・管理部門
  受験者数 合格率 受験者数 合格率
2021 315人 38.1% 393人 32.1%
2020 300人 31.3% 426人 31.7%
2019 304人 36.5% 441人 33.1%

地質調査技士試験の受験者数は、現場調査部門で毎年300人程度、一方で合格率は両部門ともに30%前後と非常に厳しい水準となっています。 この試験では、地質調査に関する幅広い知識が問われるだけでなく、現場での実務経験を踏まえた問題も多く出題されます。そのため、机上の学習だけでは合格するのは難しいと言えます。日々の業務を通じて、着実に知識と経験を積み重ねていくことが合格への最短ルートだと言えるでしょう。

その他地質調査に使える資格一覧

地質調査技士以外にも、地質調査に役立つ資格はたくさんあります。ここでは技術士や土木施工管理技士、測量士など、代表的な資格を紹介します。

・技術士(建設部門)
建設分野における高度な専門知識を持つ技術者の国家資格

・土木施工管理技士
土木工事の現場における施工管理を行う技術者の国家資格

・測量士
測量に関する専門知識を持つ技術者の国家資格

・地すべり防止工事士
地すべり防止工事の現場管理を行う技術者の民間資格

・土壌汚染調査技術管理者
土壌汚染調査に関する専門知識を持つ技術者の民間資格

・地盤品質判定士
地盤の品質を判定する専門知識を持つ技術者の民間資格

これらの資格は、地質調査技士とセットで取得しておくと、現場での幅広い活躍が期待できます。

例えば技術士の資格があれば、地質調査の計画立案や工法の選定など、上流工程の仕事も任せてもらえるかもしれません。土木施工管理技士なら、地質調査の結果を踏まえた施工計画を立てられます。測量士なら、地質調査に必要な測量業務もお手の物ですね。

地質調査の現場は、さまざまな専門分野が関わり合って成り立っています。多彩な資格を取得して、現場に必要とされる技術者を目指すのもおすすめのキャリア戦略です。

まとめ

地質調査技士は、ボーリング調査をはじめとする地質調査の現場で活躍する専門技術者の資格です。実務経験と学科試験をクリアする必要があり、難易度はやや高め。でもその分、現場で必要とされる専門性の高い資格なので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

もちろん資格取得は通過点に過ぎません。大切なのは、その先の地質調査人生。現場での経験を糧に、どんどん成長していきましょう。