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2022.04.20地質調査業界の今後の位置づけとは?千葉県の地質調査会社が徹底解説

地質調査は日本の歴史において、鉱山開発や防災、都市建築など、さまざまな場面で重要な役割を果たしてきました。近年でも、災害が増えたこともあり、地質調査の需要は増える一方です。
では、そんな地質調査業界は、どのような歴史をあゆんできて、今後はどうなっていくのでしょうか?
本記事では地質調査業界の歴史を踏まえながら役割と今後について詳しく解説していきます。地質調査に興味がある方は、この記事を参考にしてください。

地質調査業界の歴史

地質調査業界の歴史の中でも、大きな変革が起きたポイントが存在します。
それが以下です。

  1. 地質学が導入されたのが明治時代
  2. 当初は鉱山の開発のために利用されていた
  3. 関東地震によって地震防災の地質調査が開始する
  4. 終戦後ダムの開発のために地質調査が多く実施される
  5. 1955年以降インフラ整備などで建築のための地質調査が数多く実施される

上記のポイントを押さえておくことで、地質調査業界の歴史について理解が深まりやすいので、内容をよく確認するようにしてください。

地質学が導入されたのが明治時代

地質調査業界は、鉱山や炭田の開発・土木事業の基礎として役立てる学問である「地質学」から始まりました。
国土の開発のために必須な学問として地質学が本格的に学問として学ばれるようになったのが、1868年の明治維新から25年後の1893年です。1893年に地質学の普及と発展を目的として「日本地質学会」が設立されています。

当初は鉱山の開発のために利用されていた

地質学は導入初期において、日本の地質を明らかにすることに力を注いでいましたが、学問以外での地質調査の利用は、「鉱山資源の開発」を目的にしていました。近代化によって石炭を含む多くの鉱山資源が必要になり、数多くの鉱山を開発する必要があったため、学術的な目的以外の地質調査は地下資源の調査に利用されていたのです。
また、1894〜1895年に発生した「日清戦争」や、1904〜1905年の「日魯戦争」により、南樺太などを領有した際は、国策として鉱山資源調査のための地質調査が活発に利用されていました。

関東地震によって地震防災の地質調査が開始する

1923年に発生した関東地震によって東京市と横浜市で合計約2万8,000棟の住宅が全壊し、死者・行方不明者が約10万5,000人の被害が発生しました。この地震が起きたことにより、復興局が東京・横浜地区の本格的な地質調査を初めて実施し、都市の地盤地質図を作成したのです。
このように、関東地震を起因とする地質調査によって、都市土木に関わる地震防災の地質調査が開始されました。

終戦後ダムの開発のために地質調査が多く実施される

敗戦直後は主に米軍基地の建設のために地質調査が実施されていましたが、利根川堤防の決壊などによって治山・治水事業の必要性を喚起され、総合治水事業としてのダムの建設計画が策定。
総合治水事業としてのダムの建設計画で、ダム建設地点の選定に地質調査が数多く実施され、地質技術者が活躍することになり、インフラ整備の地質調査が増えるきっかけになりました。

1955年以降インフラ整備などで建築のための地質調査が数多く実施さえる

1955年以降地質調査の需要は、鉱山開発が衰退していき、土木・建設工事で大きな役割を果たすようになります。鉱山開発が衰廃したこともありますが、この時期の日本の建築事業は、急速に発展していたためです。
例えば、高速道路や空港、下水道などのインフラ整備、都市部の不動産事業が急速に拡大されました。
このことにより、1960年代以降は、建築のための地質調査が占める割合がより大きくなっていきます。

地質調査のおかげで成り立つこと

地質調査を行うことで、災害の被害を防ぐなどの社会で果たしている大きな役割が3つあります。
ここでは、地質調査が社会で果たしている3つの役割について詳しく解説していくので、地質調査がどういったものなのかを理解する際の参考にしてください。

災害の危険性を把握できる

地質調査を行うことで、土砂崩れなどの災害の危険性を把握することができます。例えば、以下のような内容です。

  • 土砂崩れ
  • 液状化現象
  • 地盤沈下

上記のような危険性を把握して、ハザードマップの作成や避難場所の決定などを行っています。
このように、地質調査は防災面でも非常に重要な役割を果たしています。

インフラの修繕し安全性を高かめる

トンネルや高速道路などインフラの老朽化が進んでおり、今後インフラの修繕や更新がふえてきます。そういったインフラの修繕や建て直しのためにも、地質調査は必要です。
具体的には、インフラの基盤である地質・地盤の調査や、地質調査に基づくコンサルタント業務、地質・地盤情報の蓄積・共有化などが挙げられます。
上記のような情報を集めることで、メンテナンスを行う際のリスクマネジメントや、災害に耐えられる建造物を造ることが可能です。
このように、地質調査はインフラ建造物の安全性を高める役割を果たしています。

ビルや住宅の地盤を調べ安全性の把握できる

地質・地盤調査で最も需要があるのが、ビルや住宅を建築する際に実施されるボーリング調査です。ボーリング調査を実施して地盤を調べることで、地盤が弱いなどのリスクを把握でき、地震によって建物が傾き損壊する事態を防げます。
日本は地震が多い国であるため、地盤の強度を調べて危険性を把握したうえで適切な対策を行う必要があり、地質調査は必要不可欠です。
このため、住宅やビルを建築する際には、地質調査を実施するようにしてください。

地質調査業界の今後について

2021年7月に静岡県熱海市で発生した土砂崩れにより、地質調査が注目されています。
また、橋やトンネルなどのインフラの多くが建築されてから50年以上を経過しており、これらのメンテナンスや立て直しでも地質調査は必要です。このように、災害の増加やインフラの老朽化によって、地質調査の需要は増え続けています。
実際、災害の増加やインフラの老朽化は無視できない問題なので、そういった問題に直面している方は地質調査を検討してみてください。

まとめ

地質調査業界は災害の増加やインフラの老朽化によって、今後も需要が高まることが予想されます。特に、防災面で果たす役割は大きく、ビルや住宅を建てる際には地質調査が必要不可欠です。
このため、この記事では地質調査業界の歴史を踏まえながら、役割と今後について解説してきました。地質調査を検討している方はこの記事を参考にしてください。