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2022.10.20家を建てる際に地質調査を行う意味や重要性とは?

家を建てる際は地質調査を必ず行う必要があります。ですが、地質調査が必要なこと自体を知らない方も多く、知っていたとしても重要性を理解している方は少数派です。

しかし、家を建てる際の地質調査の重要性を知らないままでは、家を建てる際に支障が出かねません。

そのため、この記事では家を建てる際に地質調査を行う意味について解説していきます。近い将来に家を建てようと検討しているなら、この記事を参考にして下さい。

家を建てる際に地質調査が必要な理由

家を建てる際は、「建築基準法施行令第38条」によって、地盤の強度を調べる地質調査が義務付けられています。地盤の強度を調べて必要なら地盤改良を行わないと、地震によって家が傾き倒壊や半壊する危険性があるためです。

つまり、地盤調査は地震被害を軽減するために必要不可欠な調査であると理解しておきましょう。

なお、建物を建築する際の地盤調査は「阪神・淡路大震災」によって義務付けされました。「阪神・淡路大震災」では約10万5,000棟の家屋が全壊し、6,434名の死者が出る甚大な被害が発生したため、同じような過ちを二度とおかさないように定められたと言えるでしょう。

地質調査の重要性や意味

家を建てる際に行う地質調査の主な意味は、建物が傾くなどのリスクを事前に知り適切な対処をすることで、地震によるさまざまな被害を軽減できることです。

ここでは、地質調査でわかる3つのリスクについて解説していきましょう。

不同沈下のリスクがわかる

地質調査は地盤が歪むことで生じる不同沈下のリスクを予測できます。地面に空隙や腐植土層があることや、地盤の強度不足などの情報を知れるためです。

仮に不同沈下が起きると、地盤が歪み建物が傾いて、床が平らでなくなったり、外壁にひびが入ったりするなど、建物に多くの不具合が生じます。せっかく家を建てても、不同沈下が起きてしまうと、最悪の場合引っ越さなければならない事態に陥りかねません。

このような事態を防ぐためにも、地質調査の重要性を理解しておきましょう。

地盤が傾くリスクがわかる

地質調は地震により家が傾くリスクがわかります。調査の内容で住宅を建てる予定地の地盤強度がわかるためです。

なお、調査の結果、地盤が緩いことがわかった場合は、地盤改良などの対策を講じて地震によって家が傾くリスクを防ぐことができます。仮に地震により家が傾き倒壊してしまうと、命の危険にさらされる事態になりかねないため、地盤調査の重要性を理解しておきましょう。

ちなみに、地震で家屋が倒壊すると聞くと想像できない人も多いと思いますが、東日本大震災や阪神淡路大震災のような大規模な地震の際には、実際に倒壊した家屋が数多くありました。家屋の倒壊など起きないだろうと考えず、地震から自身や家族の命を守るためにも、地質調査を実施して可能な限り地盤の良い土地に家を建てるようにしてください。

液状化現象が起きるリスクがわかる

地質調査は液状化現象を起こすリスクがある土地かどうかもわかります。液状化現象が発生してしまうと、家屋が沈んで家が傾くなどの数多くの不具合が生じる可能性が高いので、このように事前にわかることは大きなメリットです。

地盤調査を行った際は、液状化現象のリスクも確認しておくようにしてください。

なお、過去に液状化現象が起きた土地や埋立地などは、液状化現象が起きる危険性が高いためより注意が必要です。

ちなみに、地盤調査を行わずとも液状化現象が起きる可能性をある程度知る方法もあります。地方自治体が用意しているハザードマップを確認することで、液状化現象が起きる危険性を把握できるため、活用するようにしましょう。

地質調査のタイミングと家を建てる流れ

家を建てる際の流れは以下のとおりです。

  • 1. 地質調査と地鎮祭
  • 2. 地盤改良工事(必要な場合)
  • 3. 基礎工事
  • 4. 建て方〜上棟式
  • 5. 屋根・外壁下地・外装工事
  • 6. 内外装工事や内部建具工事
  • 7. 仕上げ
  • 8. 竣工検査・補修工事(必要な場合)
  • 9. 引き渡し

上記の流れでもわかるように地質調査は、家を建てる前に行います。

なお、売主の許可があれば土地を購入する前に地質調査を行うことも可能です。仮に地盤に問題があった場合などは、その土地を購入しないことも選べるので、可能であれば土地の購入前に地質調査を行うようにしましょう。

地質調査の再調査を行う理由

同じ土地同じ調査方法で調査を行う場合は、どこの業者が行っても調査結果が変わらないため、基本的に再調査を行うことはありません。しかし、調査方法によりデータに差異が出るため、地質調査の結果が悪く地盤改良が必要かどうかの判断を迷う場合は、より詳細がわかる方法で再調査を行うのもおすすめです。

とはいえ、上記のようなケースは稀なため、基本的に再調査を行うことはありません。

地質調査の結果が悪い場合は地盤改良を行う

地盤改良工事とは、地盤の強度を高める工事のことです。地質調査により家を建てようとしている土地の地盤が緩いことがわかった場合は、地盤改良工事を行います。

下記に地盤改良工事の方法と費用を表でまとめたので、確認して下さい。

工法

詳細

費用(20坪の場合)

表層改良工法

深さ2mほど土を掘りながら固化材を入れて地盤を強固にする方法

50万円程度

柱状改良工法

コンクリートの柱を何本も地面に打ち込んで地盤を強固にする方法 100万円程度

鋼管杭工法

鋼管を何本も地面に打ち込んで地盤を強固にする方法

100万円程度

一般的には表層改良工法で地盤改良を行うことが多く、表層改良工法を実施できない場合には柱状改良工法か鋼管杭工法を行います。

まとめ

家を建てる際に行う地質調査は、非常に重要な調査になります。そもそも法律で義務付けられているうえに、仮に怠ると命の危険性もあるためです。

近い将来家を建てることを計画しているのなら、地質調査の重要性を理解しておくようにして下さい。