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2023.01.31地質調査の調査目的とは?調査方法の種類も解説

地質調査は地盤強度や土質などを調べる重要な仕事ですが馴染みのない方も多く、興味を持っても「仕事内容などがよくわからない」と敬遠してしまう方も少なくありません。

そこで、この記事では地質調査の目的や仕事の手順、調査方法など地質調査会社に採用されるために把握しておくべき地質調査の知識について、未経験の方でもわかるように解説していきます。

地質調査の仕事に興味がある方は、この記事を参考にしてみてください。

地質調査の3つの調査目的

地質調査は専門機器を使用して地盤の強度や地質などを把握する調査です。建築だけでなく学術分野などのためにも行われます。

ここでは、地質調査の3つの目的について解説しましょう。


学術分野の目的

学術分野における地質調査は、地球の地質や地層を調べて地震活動やその他の環境変化を予測する地質学のために調査します。

例えば、活断層を調査し、地震の予測を行う地質調査も学術分野です。世界でも有数の地震大国である日本では重要な調査であり、行政や学術機関から依頼されて行うことが多い調査です。


資源開発の目的

資源開発分野とは「石炭・原油・地熱・鉱物」などの地下資源を掘り起したり、利用したりするための調査です。

日本で地質調査が行われるようになった1900年から1955年までは、石炭などの地下資源を採掘するための調査が中心でした。しかし、現在では少なくなってきています。

とはいえ、地熱発電のための地質調査は建設事業に比べれば頻度は低いものの現在でも行われています。


建設事業の目的

住宅やインフラなどの建設事業のためにも地質調査が実施されています。その割合は1955年以降急速に増加し現在では全体の約9割を占めるほどです。

背景には「建築基準法施行令第38条」によって義務付けられたことがあり、家を建築する際は地質調査のひとつである地盤調査は必ず行わなければなりません。

このため、建設事業分野の地質調査は地盤の強度や建物の倒壊危険度などを調べる「地盤調査」が圧倒的に多くなっています。

したがって、地質調査会社の求人は地盤調査を行っている会社が多いです。学術分野や資源分野を目的とした地質調査会社に就職したい場合は事業内容をよく確認するようにしましょう。


地質調査の仕事の流れ

地質調査の仕事の流れは以下のとおりです。

1.情報収集する
2.現地調査を行う
3.物理探査を行う
4.データの分析する
5.調査結果を報告書にまとめる

上記の手順について詳しく解説するので参考にしてみてください。


情報収集する

地質調査に先立ち、土地の基礎的な部分を把握するために多くの資料を取得します。具体的には以下の資料です。

地形図
地盤図
空中写真などの地図
写真
調査報告書
工事記録
災害記録
地質文献や古地図

これらの資料と現地調査によって得られた証拠を組み合わせて検討することで、正確な地質調査を行うことができます。

現地調査を行う

現地調査では、地形や転石の大きさなど、現地を踏査して確認する必要があります。そのため、実際に現地を歩いて調査する場所を確認しなければなりません。

ちなみに、住宅地などの場合は現地調査に手間はかかりませんが、山に入る必要がある場合は手間と時間がかかります。

また、地形をよく観察し、正確な地質図を作成するためには、専門的な知識と経験が必要なので覚えておきましょう。


物理探査を行う

物理探査は、主に肉眼で確認できない領域を把握するために行います。この調査でよく行われるのが、「ボーリング調査」です。

ボーリング調査は土を採取できるため、土質や地盤の強度だけでなく、「液状化現象・土石流・地すべり」の危険性などを調査できます。

なお、物理探査では、必要に応じてボーリング調査以外の計測機器を使用し、より正確な土質データを取得することも可能です。


データの分析する

地質調査で得たデータを基に分析を行い、現地調査や旧調査での測定値との差異を精査します。

また、建築目的で調査した場合は、計画した建物の建設時に発生する可能性のある危険性を確認し、計画の見直しを提案することも必要です。

このように、建築物の設計に必要な潜在的な問題点などを総合的に報告する必要があるため、根拠となるデータを集めておかなければなりません。


調査結果を報告書にまとめる

収集した情報を丁寧に整理し、調査目的に応じて図面などの書類を作成します。

依頼主にデータを分かりやすく伝えるため、調査目的な応じた必要な内容を簡潔にまとめた報告書を作成する力も重要な仕事です。



地質調査の調査方法の種類は3つ


地質調査の代表的な調査方法には、前述したボーリング調査以外にも2つの調査方法があります。ここでは、地質調査の3つの調査方法について解説します。

地質調査会社に就職を検討している方は、内容をしっかりと理解しておきましょう。


スウェーデン式サウンディング試験

SWS試験は、スウェーデン式サウンディング試験とも呼ばれ、主に住宅の調査で使用されています。他の方法と比較して、調査期間が短く安価であるため人気のある方法です。

しかし、マンションなどの大規模建築物では、精度が低くなるため向いていません。

また、土壌を採取することができないため、土壌の組成を大まかに把握することしかできないデメリットもあります。


表面波探査法

表面波探査は、地震発生装置で地表に振動力を与え、それを検出器で測定する調査方法です。波の伝わる速度を測定し、そのデータを基に地盤の強度を把握します。

スウェーデン式サウンディング試験よりも費用がかかりますが、正確な調査が可能なのが利点です。

したがって、スウェーデン式サウンディング試験よりも精密な地盤調査が必要な場合は、表面波探査が向いています。

ただし、以下のデメリットがあることも覚えておきましょう。

マンションなどの大規模な建設プロジェクトには適していない
土壌の状態を調査できない
スウェーデン式サウンディング試験よりも費用がかかる
表面波探査を取り扱っている業者が少ない

地質調査会社に就職を検討しているなら、表面波探査の特徴を覚えておいてください。


調査結果を報告書にまとめる

収集した情報を丁寧に整理し、調査目的に応じて図面などの書類を作成します。

依頼主にデータを分かりやすく伝えるため、調査目的な応じた必要な内容を簡潔にまとめた報告書を作成する力も重要な仕事です。



地質調査の調査方法の種類は3つ


地質調査の代表的な調査方法には、前述したボーリング調査以外にも2つの調査方法があります。ここでは、地質調査の3つの調査方法について解説します。

地質調査会社に就職を検討している方は、内容をしっかりと理解しておきましょう。


スウェーデン式サウンディング試験

SWS試験は、スウェーデン式サウンディング試験とも呼ばれ、主に住宅の調査で使用されています。他の方法と比較して、調査期間が短く安価であるため人気のある方法です。

しかし、マンションなどの大規模建築物では、精度が低くなるため向いていません。

また、土壌を採取することができないため、土壌の組成を大まかに把握することしかできないデメリットもあります。


表面波探査法

表面波探査は、地震発生装置で地表に振動力を与え、それを検出器で測定する調査方法です。波の伝わる速度を測定し、そのデータを基に地盤の強度を把握します。

スウェーデン式サウンディング試験よりも費用がかかりますが、正確な調査が可能なのが利点です。

したがって、スウェーデン式サウンディング試験よりも精密な地盤調査が必要な場合は、表面波探査が向いています。

ただし、以下のデメリットがあることも覚えておきましょう。

マンションなどの大規模な建設プロジェクトには適していない
土壌の状態を調査できない
スウェーデン式サウンディング試験よりも費用がかかる
表面波探査を取り扱っている業者が少ない

地質調査会社に就職を検討しているなら、表面波探査の特徴を覚えておいてください。


ボーリング調査

ボーリング調査は、機械を使って穴を掘り、そこにハンマーを落として土壌を採取し、土地の固さや土壌の状態を分析する調査です。他の調査方法と異なり、深い層や固い地盤まで調査することができます。

そのため、マンションや高層ビルなどの重要な建設プロジェクトではボーリング調査が主です。

ただし、ボーリングは他の調査方法よりも精度が高いというメリットはありますが、費用が高く広い調査スペースが必要であるなどのデメリットがあることも覚えておきましょう。



まとめ

地質調査は住宅を地震から守る目的だけでなく、地震の予測する目的でも行われている重要な調査です。

しかし、地質調査に馴染みのある方は少なく、地質調査の仕事の手順や調査方法などについてしっかりと理解できている方は多くありません。
そのため、この記事では地質調査の目的や仕事の手順、調査方法など地質調査会社に採用されるために把握しておくべき地質調査の知識について未経験の方でもわかるように解説してきました。

地質調査の仕事に興味がある方は、この記事を参考にしてみてください。