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2024.06.26ボーリング調査の全て!土地選びの安心ポイント


戸建て住宅からマンション、さらにはダムまで、建設を始める前には地盤調査が欠かせません。

地盤の性質を把握せずに建設を進めてしまうと、建物が傾いたり地盤沈下を起こしたりと、大きなトラブルが発生してしまいます。

「ボーリング調査」は、そんな地盤調査の手法として広く採用されているものですが、具体的にどんなことをしているのか、知らない人も多いでしょう。

この記事では、ボーリング調査の目的から調査方法、調査が必要となる時期・状況、さらには地盤調査ごとの費用相場までを解説します。

あまり知る機会のないボーリング調査について、基本的なことを見ていきましょう。

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ボーリング調査の目的、地盤の奥深くまで探る方法

地盤に深い孔を開け、地質の状況を調べるボーリング調査。

この調査は、なぜ・どうやって実施されるのでしょうか。

ここでは、調査の目的、そして地盤を深くまで調査する方法について解説します。

ボーリング調査の目的

ボーリング調査の目的は、調査対象の土地が、予定された建設に相応しいかを判定することです。

どれだけ立派な構造を持つ建設物であっても、基礎となる地盤が脆弱では、地盤沈下や建物の傾きが発生します。

しかし、地盤の状態を目視で確認することは困難であるため、掘削機を用いて地盤を調査する必要があるのです。

ボーリング調査では、採取した土とボーリング孔への加圧といった方法によって、地盤の強度や状況を調べていきます。

調査結果から、建設に相応しい地盤かどうか、そして建設するさいに必要となる杭の深さなどを判断します。

ボーリング調査の方法

ボーリング調査ではまず、深くまで採掘する前に試掘をおこないます。

表層近くには廃棄物などが埋まっている場合があるため、調査地点の1mほどを人力で掘って確認しなければなりません。

試掘によって調査可能と判明したら、実際の調査に移行、調査にはボーリングマシンと呼ばれる、エンジン付きの掘削装置が使用されます。

エンジンやハンマーなどを用いてボーリングマシンを少しずつ深くまで落とすと同時に、ボーリングロットに取り付けたサンプラーで土を採取していきます。

ボーリングマシンはトラックで運搬するため、通行が困難な環境では、運搬方法を別途検討しなければなりません。

加えて、ボーリング調査実施のためには、5m四方の土地と、やぐらを組む5m程度の高さが必要です。

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各種ボーリング調査方法の特徴と選択基準

掘削孔による地質調査には、さまざまな手法があります。

代表的なボーリング調査手法について、特徴と選択基準について簡単に見ていきましょう。

標準貫入試験

ボーリング調査の手法として、もっとも一般的な標準貫入試験。

サンプラーを取り付けた錘を孔に落とし、地質試料を採取する方法です。

標準貫入試験は、地盤の強度に左右されずに実施できるのが大きな特徴。

地盤の強度を判定する「N値」を測定するために採用されています。

孔内載荷試験

ボーリング孔の壁に油圧やガス圧をかけることで、地盤の水平方向への強度を調査するのが孔内載荷試験です。

ボーリング孔の壁面が滑らかであれば、ほぼすべての地盤に対して実施できます。

孔内載荷試験は、地盤の変形定数および強度特性を調査する場合に採用される手法です。

現場透水試験

現場透水試験は、ボーリング孔の頂点に地下水が流入する区間を用意し、低下した水位がどのように回復するかを調査する手法です。

人工的に水を注入する方法もありますが、地下水を流入させるものが一般的。

その地盤がどの程度の透水性(水が通過する度合)を持つか調査するために実施されます。

揚水試験

ボーリング孔の地下水を揚水し、水位の変化を段階的に観測する揚水試験。

地すべり地形の地盤に対して広く実施される手法で、地盤の透水性や井戸ロスなどを測定するために実施されます。

現場透水試験とは異なり、水の通りやすい地盤でも実施できるのが特徴です。

PS検層法

PS検層法は、ボーリング孔を用いて地盤のP波・S波を正確に測定する手法です。

弾性波の速度分布を検査することから、速度検層とも呼ばれます。

建築物の耐震上重要な地盤特性や地盤構造などの力学的な特性について調査する方法です。

なおPS検層法は、振動の測定方法によって、ダウンホール法・アップホール法・サスペンション法に分けられます。

密度検層

ボーリング孔に放射線源(セシウム137・コバルト60など)とガンマ線測定センサーを取り付けて、地質を調査する方法です。

放射線源から射出したガンマ線の減衰をセンサーで測定することで、地層の密度や地下水の有無などを調べられます。

この手法は、ボーリング孔の形状によって測定値が左右されることに注意が必要です。

ルジオンテスト

ルジオンテストは、ダムなどによって高い水圧が作用する地盤に対して採用される調査手法です。

ボーリング孔に水圧を掛け、地盤に浸透する水量を測定します。

地盤の透水性を評価するための方法で、特にダム建設の位置決定のために実施するものです。

 

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ボーリング調査が必要とされる時期や状況

地質状況を調べるボーリング調査は、いつ・どんなときに必要なのでしょうか。

調査が必要とされる時期や状況について、かんたんに解説します。

ボーリング調査を実施する時期

原則として、ボーリング調査は対象となる土地の契約が完了したタイミングで実施可能です。

また、すでにある建物の建て替え時に地盤調査をする場合、建物の取り壊しが完了し、更地にしてから実施することになります。

 

ボーリング調査が必要とされる状況

ボーリング調査が必要とされるのは、建設を予定する建築物・構造物の規模が大きい場合です。

中規模以上の建築物を建設する際、地盤沈下などが強く懸念されるため、この手法によって地質を調査しなければなりません。

また、地中に空洞や廃棄物が存在するケースや、液状化を考慮するケースでは、他の方法では正確な地盤調査が難しいため、ボーリング調査の実施が必要となります。

なお現在では、戸建てなどの小規模な建築については、SWS試験などの簡易的な手法を採用することが一般的です。

 

採取されるサンプルの種類とその分析方法

ボーリング調査では、地層を掘り進めることで岩石の層を採取します。

採取された岩石層を「ボーリングコア」と呼び、地盤の性質によってさまざまなボーリングコアが採取可能です。

採取されたサンプルは標尺・標高・深度・模様といったデータと合わせて保管され、色調・風化・熱水変質の程度・硬軟など、さまざまな指標から分析されます。

深度や調査方法による費用の違い

地盤調査は、深度や調査方法によって費用が異なります。

主要な3つの地盤調査について、費用の違いをみていきましょう。

 

SWS試験

住宅建築において広く採用されるSWS試験の費用は、5〜10万円程度が相場です。

SWS試験では深度10mまでの地盤を調べることができる簡易的な手法で、調査も2時間ほどで完了します。

一般的な地盤調査の中で、もっともコストの低い手法です。

 

ボーリング調査

ボーリング調査はSWS試験よりも深くまで採掘するため、多くのコストが発生します。

ボーリング調査では、深度25m以上、最大100mまでの地盤調査が可能です。

一般的な相場は15〜30万円ですが、ボーリング孔を深く掘るほど費用は上がり、40〜80万円ほどかかる場合もあります。

 

表面波探査法

装置を用いて地面に振動を与え、地盤強度を計測する表面波探査法。

測定深度は15m程度、費用の相場は8〜12万円ほどと、SWS試験とボーリング調査の中間です。

表面波探査法は平坦な土地に対して採用される手法で、地中に空洞などがあると正しく測定できないという特徴があります。

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まとめ

建設をおこなうとき、地盤の性質・状況を知ることはなによりも重要。

ボーリング調査は、その土地が建設可能かを判断するための強力な手法です。

調査対象や測定項目ごとに、標準貫入試験・孔内載荷試験・現場透水試験・揚水試験・PS検層法など、多くの手法が存在します。

ボーリング調査は原則的に、その土地の契約が完了してから、実際に建設を始めるまでの間に実施しなければなりません。

小規模な建設であれば、SWS試験など、より簡易的な調査で済ませることもありますが、中規模以上の建設の場合、ボーリング調査が欠かせません。

ボーリング調査は、対象となる地盤の状況や掘削する深度によって、15万円から80万円と、費用が大きく変動することにも注意。

そのため、ケースごとにどのような調査が必要なのかを見極めることが大切になります。